無色透名祭Ⅱに参加しました

hakakuです。

この度ニコニコで開催された「無色透名祭Ⅱ」でボカロ曲を制作しました。私の楽曲は以下のリンクから聴けます。よかったら聴いてみてくださいね↓

https://www.nicovideo.jp/watch/sm42987023

 

 

無色透名祭は匿名でボカロを投稿して、誰がどの曲か分からないままボカロを楽しもうというイベントです。

前回は聴く側として参加しましたが、今回は実際に作る方もやってみたくなったので急遽ボカロ曲を作ることにしました。

 


しかし今まで私はボカロ曲を制作した経験が一度もなかったので、乗り越えなければならない困難も多く、途中で一旦挫折しました。

でもこうやって稚拙ながらも今出来る最大限の力を尽くしてボカロ曲を作ることが出来たので、それの体験談的なものをつらつらと書き連ねていきます。

自分のための備忘録って感じです。よろしく。

 

楽曲の制作方法

使ったソフト

 

私が使ったソフトは

・Domino

Cakewalk

・UTAU

あと動画制作に

アイビスペイント

・Aviutl

です。

分かる人には分かる、無料のメンツ。

これらのソフトは全て無料なんですね。アイビスペイントについてはパソコン版を使っているので実は有料なんですが、これもタブレットの無料版アプリを使ってる人の方が多いのではないでしょうか。

つまり無料で今の私のクオリティのボカロ曲・MVなら誰でも作れるというわけです。

 

ボカロ曲を無料で作れるか

ボカロ制作にどのくらいお金が必要なのかって結構不明瞭なんですよね。私も気になって色々調べたりしたんですけど、「無料で出来るよ!」なんてことを言ってるサイトはありませんでした。そんなことを言ったら商売が成り立たないので当たり前なんですが。

でも「ボカロ曲作ってみたいなー」っていう人がそのハードルで諦めてしまうのは勿体ない気がします。

 

ボカロ曲制作に最低限必要なもの、と調べるとボカロ、DAWオーディオインターフェースなどとあって、これだけで大体5万円超えちゃいます。5万円をケチるなと言う人もいるでしょうが、5万円はケチる。学生にそんな投資はできません。

サイトによってはMIDIキーボードとかも勧めてきて、「こんなに色々買わなきゃいけないの!?」と思った覚えがあります。

特に「ボカロ興味あるな」程度の人が、そんなものを買い集められない。「やっぱ飽きたな……」となる可能性は十分にあるわけです。

そのお金を払える熱意がなければ土俵にも上がれないんだ、と思って諦めたのが今年の夏ぐらいの話でした。

 

ボカロ曲制作!

9月編

でもやっぱりボカロ曲を作りたいと思ったのが、無色透名祭Ⅱの開催が迫ってきた9月。「今回はどうにかして参加したいぞ」と強い情熱が湧き上がり、やるしかないと決意。


夜中に外を歩いていたときにふと湧き上がったメロディをその場で鼻歌で録音して(不審者)、それを家に帰ってからDominoにポチポチ打ち込みました。Dominoはずっと前から使ってるソフトで、暇なときに遊んでいました。今回の曲はこのソフトでMIDIを打ち込んで、それをCakewalkでちゃんと楽器の音にするという手順を踏みました。このCakewalkというのが無料で使えるDAWですね。


DAWって何やねんと思うことでしょう。私もよく分からないので今調べてみました。デジタル・オーディオ・ワークステーションの略らしいです。つまり何?

基本的にはこのソフトで楽曲を制作します。ボカロの声や他の音源を用意して、このソフトで組み合わせて曲を作ります。Dominoには音源が入っていないのでこういうソフトが必要になるわけです。


これがなんと無料。「ええんか?」と思ってインストールしたところ、全然音が鳴らなくて絶望、アンインストール。この流れを今までに2回やったことがあります。

とにかく使い方が難しいんです。もう何がなにやら分からない。分からないことが何かもよく分からない。

今の自分がどれだけ分かっているかというと、おそらく全体の1%くらいしか分かっていません。1%でも曲は作れたので音が出ないだけで諦めるのは早計ですが、多くの人が諦めると思います。私は2回諦めました。

とりあえず、音が出せるまで頑張りましょう。音が出せたら最初のハードルクリアです。

 

私の場合、その壁を乗り越えきれずに10月に突入しました。そして10月14日。無色透名祭の〆切は16日。あと2日。ここで急に思い立つのです。

「やらなきゃ」

何が自分をそこまで駆り立てたのか、ここから家に引きこもって急ピッチで楽曲制作が進んでいきます。

 

10月編

まずDominoからです。実は先月鼻歌から打ち込んだのはAメロのしかもメロディとベースラインだけで、あとは白紙の状態でした。

ここからサビやらコードやら歌詞も考えなければいけません。でも人間とは不思議なもので、勢いでどうにかしてしまいました。メロディラインをわーっと作り、ベースラインをぺーっと乗っけてそこに良さげなコードを鳴らして、曲自体は意外とすんなり出来ました。ドラムも飾りの音もない、ベースラインも単音だけの単調な曲ですが。


苦戦したのは歌詞。何を大切にするか、自分が歌いたいことは何か。そのときはもう15日の朝4時くらいで、眠たかったのでしょう、寝る歌を書きました。

以前Sleeperという名義を用いており、そこからも着想は得やすかったのですが、いざ冷静になって見てみるとすごい暗い歌詞で笑ってしまいます。

意外とそういうときに人間の本質が出るので本当は暗い人間なのかもしれません。人を助けるというより、自分が助けてくれという歌詞になりました。

「未来にぎゅっと目をつむる

ずっと夢を見てたいから」

めちゃくちゃネガティブな歌詞ですが、この部分は我ながら綺麗だなと思います。このままじゃいけないと思いながらも目をつむる、夢に思いを馳せて生きていきたいわけですよ。なんとなく諦めているんだけど、やけになるわけではなく静かに別の世界に行こうとしている。それを「ぎゅっと目をつむる」という、幼児でも出来るような手段で行おうとする……。良いですよね(自画自賛)。

だからこそ2番とかラスサビではこの消極的退避を解決した方が良かったのですが、もうずっと寝っぱなし。ごめん、眠かったんだね。

この歌詞はこれでいいとは思いながらも、これだけではhakakuとしてあまりにネガティブなものしか発信してないので、また次の機会にはもう少し明るい曲を書こうと思います。

あと、唐突に魚が出てきますがそれは完全に石風呂さんの「さかな暮らし」が頭をよぎってそれが歌詞に出ちゃいました。スペシャルサンクス石風呂さんです。いつもありがとうございます(勝手な感謝)。

 

さて、歌詞まで書いて一旦寝て、午後からついにCakewalkです。音源はこの時入れたのか、もっと前に入れたのか。記憶は曖昧ですが、この音源を入れるというのも慣れてない私にとってはとても大変でした。ちなみにこの音源も全て無料です。


そしてついにボーカロイド登場。

正確にはUTAUです。重音テトという子に歌ってもらうことにしました。

UTAUはDAWのあれそれに比べれば操作も簡単で、DominoのmidiをUTAUに持ってきて歌詞を入力すれば歌完成。(え、早くない?まだたくさんやることあるよね?)

いいや、この時点ではこれで完成ということにしてしまいました。そう、本来は調声というものが必要なんですね。でも締切が明日に迫ってる時点でそんなこと言ってられません。無調声で堂々提出です。

 

Cakewalkでぺっぺっと組み合わせて曲完成。さて問題は動画です。初めWindowsに入ってるソフトで編集しようとしましたが、フォントがない。字幕の漢字がなんとなく繁体字っぽい。というわけでそこからAviutlを導入しました。

 

そしてこれがまたとっても難しい。

Aviutlってめちゃくちゃシンプルなんです。だからまず色々プラグインを導入しないと話にならない。大量のzipファイルをインストールし、それぞれセッティングしてからスタートです。難しいというより、面倒です。

でも見た目自体はとてもシンプルなのでいざ編集を始めると分かりやすい。タイムラインの出し方が大変分かりにくいですが、出してしまえばそこにぽんぽんと入れていくだけ。裏側のことまで全部自分でやらなければいけないのは大変ですが、やり方が提示されない分自由度は高い気がします。知らんけど。

 

それでひぃひぃ言いながら動画を作って提出。くぅ~疲れました!マジで。

 

無事完成!


そしていざ11月。

無色透名祭が始まってまず自分の曲を聴きに行く。そして抱いた感想。


音が寂しいな……。


そりゃそうなんです。ドラムもないし。何となく音も小さいし。調声も全く無いので無機質感がすごい。正直、機械音声なんだから無理に人に寄せなくてもいい、それが良さだとまで思っていたのですが、いざ聴いてみると無調声はまずいと思いました。他の人が当然のように調声してるので雑さは際立つし、流石に味気ない。

また曲の展開も平坦で、2分なのに飽きてしまいそうだったので1番2番で少し盛り上げ方を変えようとも思いました。

 

再び楽曲制作へ


そうして始まった楽曲制作第2部。

まずドラムの壁にぶち当たりました。コード進行とかは、今までの音楽の経験で何となく仕組みぐらいは分かっていたので勢いでごまかせましたが、ドラムについては完全に無知なので、もうどうしようもないのです。

ずっとハイハット刻めばいいのかな。

真ん中のドラムっていつ使うんだろう。

めっちゃシンバルあるな。

とか。さらに、ドラマーの限界とかもよく分からないので、ゴーリキーにしか叩けないドラムになってないかずっと不安でした。


そして今度は調声の壁。

これもいろいろプラグインを導入して、いざ始めようとしても、調声の正解が分からない。今も全然わかってない。結局伸ばす部分をビブラートっぽく揺らすことぐらいしかやってません。確かに無機質っぽさは減ったけど、ボカロリスナーが求める他の項目に全然応えられてない気がする。そういう悩みを抱えています。調声ってどうすりゃいいの!?


最後にMV。これはアイビスペイントでせっせと書きました。キャラクターはSleeperちゃんです。オリキャラです。というかTwitterのアイコンのキャラです。ピンク髪だからか、ぼっちちゃんぽくなってしまいました。違います。別人です。


そうして完成したものが今ニコニコで上がってるそれです。この動画を上げるまでもちょっとした苦労があって、それが音量問題。

ラウドネスうんたらみたいな機能(これでデカい音は下げられちゃう)なのか、やけに自分の曲が小さく聞こえる。Aviutlからエクスポートした時点ではデカくても、ニコニコだとこじんまりしてしまう。

新しいボカロPを発掘するとき、やけに音が小さい人がいる理由がやっと分かりました。自分がそれでした。この機能をかいくぐるというか、それなりの音量を保つにはまた技術力が必要らしい。

実際、動画によっても全然違う。例えば千本桜はラウドネス機能が導入される前だからか、かなり音が小さい。一方で最近の曲、例えば人マニアはデカい。音量だけではなく、音圧の問題だったりするんだろうけど、私にはもうよく分かりません。


無事かどうかは分からないけどひとまずニコニコにうpでき、既に2ついいねを頂けて、私は満足です。

また次の機会があれば、今度はもうちょい明るい内容で、もっともっとクオリティの高い曲を作ります。次回作にご期待ください。


ありがとうございました!